2001年までに、業界内のさまざまな企業から第四世代に関する議論や提案が数多くなされました。 この時点で、次世代はこれまでの世代のモバイル技術同様、 革命ではなく 進化だ という共通認識がありました。

2004年、初のLTE(ロング・ターム・エヴォリューション)の技術仕様となる Release 8(R8)の取り組みに着手、実現に向けて動き出しました。 しかし、仕様化が完成し、第三世代技術用のWCDMAの技術仕様書をリリースしてきた 3GPPによってリリースされたのは、2008年になってからでした。

2009年、テリア・ソネラ社が 世界初となる商用LTEモバイルサービスを、 エリクソンとファーウェイのネットワーク機器を利用してそれぞれストックホルムおよびオスロ―で立ち上げました。 LTEサービスは、100Mbpsまでのデータレート、従来の3Gのスピードの10倍をサポートします。 開始時にLTE対応携帯電話は製造されておらず、データレートはサムスン社製のLTEコンピュータドングルを使って達成していました。

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しかし、最初のLTE標準とネットワークは、定義上、第3.9世代もしくは第四世代前でしかありませんでした。 真に第四世代と呼び得るネットワークは、ITU-Rの定める要件として 設定されている1Gbpsのデータレートを達成なければならないからです。 3GPPは、2009年以降も引き続きLTEアドバンスト(LTE-A)の開発に取り組み、 2011年にR10としてリリース、2013年までマイナーアップデートを行いました。

2012年、ロシアのオペレーター「ヨタ・ネットワークス」が、ファーウェイ提供の機器を使った 世界初のLTE-A対応商用ネットワークをモスクワで開始することを発表しました。 しかし、LTE-A対応の携帯電話が使えるようになるのは2013年まで待たなければなりませんでした。 開始時に確認されたデータレートは300Mbpsで、1Gbpsを達成するには無線チャネルにまだまだ資金を投入する必要があるでしょう。

1Gbpsという高いデータレートが利用可能になれば、モバイルでのウェブアクセスやIP電話、ゲームサービス、高精度モバイルTV、ビデオ会議、3Dテレビなどさまざまなサービスがサポートされるようになります。

サムスンのSCH-r900は、2010年9月21日に発売された 世界初のLTE対応携帯電話でした。

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初のLTE-A対応携帯電話Galaxy S5 Broadband LTE-Aも、やはりサムスン社から、2014年6月19日に発売されました。

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4Gスペクトラムはさまざまな周波数帯で利用可能なのですが、 携帯電話用マルチバンドアンテナが一定の周波数帯にしかチューニングできないため、すべての周波数帯を対象に送受信するには、複数のアンテナが必要となります。LTE対応携帯電話はおそらく1つ、もしくは2つのアンテナにしか適合せず、異なるオペレーターは異なる周波数帯を利用しているため、LTE対応携帯電話は特定のオペレーター用としてしか使えません。LTE対応電話を購入する前に、契約するオペレーターがどの周波数帯を利用しているのか確認するのが賢明でしょう。

携帯電話は前方、後方ともに互換性を持たせて設計されますので、オペレーターがLTEからLTE-Aにアップグレードしても、 契約しているLTE対応電話は変わらず利用できるはずです。LTE-Aの携帯電話加入者がLTEネットワークのオペレーターに切り替えた時も同じです。

2012年にLTEネットワークが利用可能になって以来、LTEの加入者は世界的に着実に増え続け、 減少を続けるGSM、TD-SCDMA、それにCDMAに取って代わるようになりました。

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第四世代以前、それに第四世代のネットワークは、極めて高いデータレートをサポートしながら、以下の改良点を達成しました。

  • データレートの向上につながる、ユーザデータスループットの改善、セル端ビットレートの改善、スペクトル効率の改善、可変帯域ネットワーク
  • 無線インターフェースでのパケット交換
  • データレートの達成に不可欠なダウンリンクのOFDMA
  • 携帯電話では大きな消費電力を必要としないアップリンクのSC-TDMA
  • オールIPネットワーク(AIPN)を実現するためのSAE(システム・アーキテクチャー・エヴォリューション)の導入
  • LTE-Aで1Gbpsの達成を目的としたHetNet(ヘテロジニアス・ネットワーク)、協調マルチポイント、キャリアアグリゲーション、マッシブマイモ技術の使用

2011年に3GPPがR10としてLTE-Aをリリースして以降、2012年にR11、2013年にR12、そして2016年にR13がリリースされました。第四世代モバイル通信技術はまだ最終局面ではなく、これからも発展は続いていきます。

モバイル通信技術の沿革シリーズ:
第一世代モバイル通信技術の沿革
第二世代モバイル通信技術の沿革
第三世代(3G)モバイル通信技術の沿革も読む

アイ・シン・チャン

アイ・シン・チャン

マーケティング

2018年4月入社。Telco Engineers にて4大陸16カ国にわたり、10以上の取扱説明書を手がけて熟練の技を磨いた。10年以上の携帯電話技術に特化した経験をもつ。情熱を持って創造する。