デジタル時代に生きる私たちの、アイデンティティ

私たちは日々、さまざまな「認証」に囲まれて暮らしています。 ログイン、支払い、登録、設定変更。 スマホアプリを含めたオンラインサービスが増えるほど、 「あなた本人ですか?」とデジタル確認される場面も増えていきます。

その認証手段として、 長きにわたり使われ続けているのがSMSです。

なぜ、これほど多くの認証でSMSが選ばれているのでしょうか。

認証に必要なのは、「会話」ではない

認証の目的は、 相手と関係を築くことでも、 感情を伝え合うことでもありません。

必要なのは、ただ一つ。

本人であることを、短時間で、確実に確認すること。

この目的において、 会話はむしろ邪魔になることがあります。

  • 返信をどう書くか迷う
  • 文面を誤解する
  • 余計なやり取りが発生する

認証に必要なのは、 考え込ませないこと。 迷わせないこと。

その点で、SMSは非常に合理的です。

SMSは「行動しか求めない」

SMSによる認証メッセージは、とてもシンプルです。

  • 数字のコード
  • 入力先
  • 有効時間

そこに、感情も、文脈もありません。

ユーザーが行うのは、 コードを入力するという、たった一つの行動だけ。

これは、前回の記事で触れた 「返信しなくていいSMS」 の延長線上にあります。

SMSは、 返信も、既読も、リアクションも求めない。 代わりに、行動だけを静かに促すのです。

なりすましが入り込む余地が少ない

SNSやチャットツールは、 便利で柔軟な反面、 アカウントの乗っ取りや偽装が起きやすい側面も持っています。

SMS認証では、 「携帯電話番号を実際に所持しているか」 という、物理的な要素が加わります。

端末を手に持ち、 その場でコードを受け取り、 短時間で入力する。

この一連の流れは、 なりすましが入り込む余地を自然と狭めているのです。

認証は、静かであるほど失敗しにくい

認証は、目立たなくていい。 むしろ、目立たない方がいい。

派手な演出や「映え」、 誰かの手を借りたくなるような複雑な操作は、 ユーザーの離脱を招いてしまいます。

SMSによる認証は、 日常の中に溶け込み、 流れを止めずに完了します。

だからこそ、 多くのサービスで 「当たり前の選択肢」 として使われ続けているのです。

SMS認証の、その先へ

もちろん、SMSが万能というわけではありません。

  • SMSが届かない環境
  • 固定電話しか持たない利用者
  • 電波状況の問題

こうしたケースも存在します。

だからこそ、 SMS認証を補完する手段として、 音声による認証が用意されるケースも増えています。

会話をしない。 感情を挟まない。 行動だけを求める。

この設計思想は、 SMSでも、音声でも、共通しています。

なぜSMSは、今も認証に使われ続けているのか

SMSが認証に向いている理由は、 新しいからでも、便利だからでもありません。

  • 会話を求めない
  • 行動が明確
  • 心理的負担が少ない
  • 失敗しにくい

この「静かな合理性」こそが、 SMSを認証の標準として支え続けているのです。

横山 愛子

横山 愛子

顧客支援及び運営担当

2014年1月に入社。関西外国語大学卒業後、貿易商社での勤務、オンラインストアの立ち上げ、運営、15年に亘る海外在住経験あり。幅広い視野を持って、お客様とのコミュニケーションに努めたいと思っております。