絵本読み聞かせの会でのコミュニティー活動


ちば多文化協働プロジェクトは、千葉市国際交流協会が 主催するコミュニティー・サービスで、プロジェクトの一環として、一連の多文化理解セミナーを実施しています。 2017年6月30日のセミナーでは、2歳未満の幼児とそのお母さんを対象とした、 絵本の読み聞かせ会が 企画されました。

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私は、この会での朗読の依頼を受けました。主催者は当初、私に、マレー語の子供向け絵本の読み聞かせを依頼したのです。 その時、私の一番のお気に入りでもあり、有名なSang Kancilの絵本シリーズ が、手元にありました。しかし、Sang Kancilの本は、どちらかと言えば小学生向きであり、乳幼児を対象としたこの会で読むには、 内容が難しくそぐわないと思いました。

そこで、英語や広東語の絵本をはじめ、手元にあったその他の本を、私の方から逆提案しました。 しかし、主催者は、英語の本は地元の本屋さんに加え、公立の図書館でもたくさん手に入るため、より手に入りにくい広東語の本の方を好まれ、 最終的には広東語のよく知られている童謡を集めた、中国の伝統的な水墨画のイラストが付いた、この本を選びました。

当日は、早朝から雨だったにも関わらず、登録された参加者が続々とやってきました。会ではまず、ウォームアップとして、 参加者に各出身地の相対的な距離を表す、床の上の空想の地図上に、立ってもらいました。 次に、参加者には2つのグループに別れてもらい、2人の朗読者によって、広東語とシンハラ語の読み聞かせがそれぞれ同時進行で行われました。 その後、各グループはもう一方の朗読者へと移動しました。これにより、全員が、より近くから絵本をはっきりと見て、より踏み込んだ話をすることができました。

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広東語は、香港に加え、 中国南部の広東省の人々の母国語であり、全世界ではおよそ6200万人の話者がいます。 シンハラ語は、 スリランカの人口の多数の母国語であり、話者数はおよそ1600万人です。

私は、本から3つの簡単な童謡を朗読し、内容を簡単な日本語で解説してみました。 参加者はその後、私に続いて読んでみましたが、童謡の音や韻を楽しんでいるようでした。 参加者にとっては、広東語の特徴として9つの声調があることが面白かったようです。 ただ読むだけで、まるで歌を歌っているようだ、と言われました。 童謡は中国の文字で書かれており、日本語の漢字と似ているものも一部あったため、参加者は漢字から童謡の各行の意味を当てようとするのも大いに楽しんでいました。

幼児の参加するアクティビティーでは当たり前のことですが、この読み聞かせ会も、幼児がいろいろな理由によって泣き始めると、 小休憩をはさまねばならぬ状況となりました。 しかし、これも、イベントの進行を妨げることなど全くなく、交流したり、活発な議論に夢中になっていた、母親たちの気分を削ぐこともありませんでした。

1時間半の読み聞かせ会で、外国語を十分に習得などできません。 しかし、この会によって世界各国の文学や芸術に触れて、これを垣間見る機会 を作れたという点では、とても意義のあるものでした。

主催者のプロ意識と努力には、本当に頭が下がります。 私自身、地域の方々のボランティア活動を通じた交流によって、日本語の勉強が大変助かっていたため、 今度は私の方からボランティア活動で地域コミュニティーに貢献できたことによって、とても満足できました。

アイ・シン・チャン

マーケティング・マネージャー

2018年4月入社。Telco Engineers にて4大陸16カ国にわたり、10以上の取扱説明書を手がけて熟練の技を磨いた。10年以上の携帯電話技術に特化した経験をもつ。情熱を持って創造する。

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